家族の風景
旅人宿昭栄はもうすぐまる7年になる。
宿は弟子屈町に越して来てから半年で開けたので、もう生活の中に溶け込んでいて、所謂「仕事」というよりも、良く言えば生業とかに近いのかもしれない。
弟子屈町に来て初めの方は、立場や友好関係の狭さもありどうしても内向きになりがちだったと思う。
そんな中で宿というのは俺の貴重な外向きのチャンネルとしてとても心の安定に役立っていたと思う。
個人事業主となった後、コロナ禍にもなり、収入としては心許ないけれど、辞めようと思ったこともないし、いいお客さんにも恵まれていると思う。
ただ結婚し、出産を控えた今、宿をどうしようか非常に迷っている。
第一にやはり収入の部分で。宿の形態や客層は完全に俺の趣味だ。家族を養う収益にはなりえないし、そこまでして宿を続ける意味はない。
また俺の生活には溶け込んでいるけど、家族には関係ない。
第二に 外部へのチャンネルとしての部分の役割を果たしたんじゃないかという感もある。奥さんと暮らすようになって、最近はがんもという犬も飼った。
今までは嫌だと思っていた内向きの矢印を大事にしたいと思っている。
最近は毎日新しい家の掃除をしている。残置物の処理に目処が立ちこれから本格的なDIYが始まる。
いつから住めるかは分からないがある程度早めに目処をつけて、子供と奥さんが普通に暮らせる環境を作りたいと思う。
話がそれたけど、そんなこんなで宿の将来を考えている。
貸切とかをメインに手放しで営業していくか、ちゃんとヘルパーを探して半々にやっていくか、継承したい人がいれば譲るのもいい。綺麗サッパリ畳むのももちろん。
さてさて。